El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

最強に面白い 超ひも理論:Newton Press

元旦に「超ひも理論」!

年末に「エレガントな宇宙」を読み始めたが、理解の限界を超えるので理解の手助けとして元旦の朝、雑誌Newtonの別冊をKindle本で読んでみた・・・結果、結局クリアにはわからず、というか「クリアにわからないことこそが超ひも理論」なのかも、と思うようになる。

「エレガントな宇宙」の内容も含めて、ごくごく簡略化して言うと下記のごとし。

  1. 宇宙とか光速に近い速度領域ではニュートン力学では説明しきれないことが出てきてそれはアインシュタインの特殊相対性理論で解決された。
  2. 惑星や恒星が存在することで空間の歪みが生じ、その歪みが「重さ」=重力・引力を生み出す=アインシュタインの一般相対性理論。
  3. 一方、物質を根源的な小さなものに分解して考える量子論の世界では量子には粒子の性質と波の性質両方があって、その存在は確率論的にしか表現されない。
  4. 1~3を統一的に同じ理論体系で説明することができないというのが問題だった。
  5. 量子論を推し進めて、もうこれ以上は小さくならない素粒子の世界まで考えてみたが、そこには質量やエネルギー量、スピン量などの違いで17種類の素粒子があることがわかった。
  6. 根源的な素粒子が17種類?であることを説明するのに、素粒子を粒(つぶ)と考えるのではなくてそれら素粒子の共通構造を「極小の振動するなにか(ひも)」と考えるのが「ひも理論」。素粒子の本質は同じ「ひも」がさまざまな周波数で振動することで多種類の素粒子を演じている、と考えるとつじつまがあう。これが「ひも理論」
  7. (よくわからないが)素粒子に超対称性を想定するとさらに理論的にフィットするので「ひも理論」→「超ひも理論」となる。
  8. 発見された素粒子を「超ひも理論」で解釈するとひもの振動が少なくとも9次元的に起こっているべき(?)・・・もう、そのあたりからはギブアップ!

まあ、素粒子の多様性を説明するのに「振動できる何か」ということで考え出されたのが「超ひも理論」。想像上の産物なのだが、理論とうまくおりあう。ただしあくまでも理論であり証明されたわけではない。まあ、こんな話でノーベル賞がいくつももらえているというのもオドロキではある。

まあ、シロウト頭ではこの分野からはこの程度の理解で手を引いたほうが良さそう。人生そこまで長くはない。「エレガントな宇宙」もこれで卒業。

String Theory=ひも理論 なのだが、日本語の「ひも」と「string」は違うよね!「ひも」=「rope」でしょ。「string」=「弦」と考えると「string」=「振動子」と理解しやすい。このあたりの英語と日本語のニュアンスのズレが「ひも理論」というおかしな日本語になってるような気がするのだが・・・。(Kindle本)