El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ある行旅死亡人の物語

うーん、不完全燃焼

博多駅の書店で買って新神戸に着くまでに読んでしまった。2020年4月、尼崎のとあるアパートで孤独死した高齢女性と残された現金3400万円。共同通信の記者2人がその身元を調べていくドキュメンタリー。

結局は希少名字だったことから身元が判明しDNA鑑定で確定するのだが・・・多くの謎はそのままでかなり不完全燃焼。ネット記事を膨らませて書籍化したようだが、膨らませすぎでは?前半で提示された多くの謎が回収されないのは事実だから仕方がないかもしれないが・・・ぎりぎりまで引っ張って行って結局身元がわかりましただけで、その人生については謎のまま。