ひき込まれる・・けれど
ある(架空の)投資家の人生を4つの視点から書かれた文章で再構成。4つの文章とは、第三者が書いた伝記風小説「絆」・自伝草稿「わが人生」・自伝を口述筆記した秘書の回想記「追憶の記」・妻の日記「未来」。読み始めるとすぐにひき込まれる。2023年ピューリッツア賞フィクション部門受賞。
博多に行く機会があり往復の新幹線とホテルで読了。人物造形が上手く物語にひき込まれる。ただし、目次などで構成がわかっているだけに、読み進むと、だんだんとどんでん返しの結末が見えてきて、予想をさらにひっくり返してくれることを期待して最終章へと読み進めたが・・・予想通りで少々がっかり。まあ、謎解き推理ものというわけではないが。そこまで文学的な小説ではないように思う。
投資家の妻と投資家の秘書(今は70歳の作家)、二人の女性が魅力的に描かれている。