El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

双調平家物語(15) 源氏の巻(承前)・落日の巻・灌頂の巻

ついに全15巻読了・・・去年の2月に読み始めたのでほぼ1年がかり

500ページ超の第15巻を読み終えた。頼朝の勢力拡大、富士川の戦い、木曽義仲、義経、源平合戦、清盛の病死、頼朝の覇権、頼朝の死、承久の乱まで・・・と「鎌倉殿の13人」がほぼこの一冊におさまる。

清盛亡き後の平氏の右往左往と滅亡の慌ただしいこと。そして鎌倉政権の転変もまた慌ただしい。1159年の「平治の乱」から1199年の「頼朝の死」までわずか40年。それに比べれば戦後78年のなんと平和なことか・・・。

全15巻を通しての登場は「天皇家と藤原氏」。天皇家と藤原氏があざなえる縄のごとく歴史を紡いだ時代がいよいよ「承久の乱」で終わったことになる。