El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

電子本をバカにするなかれ

プラグマティズムなきPDCAに振り回され

電子本をバカにするなかれ 書物史の第三の革命

電子本をバカにするなかれ 書物史の第三の革命

 

 津野海太郎の「電子本をバカにするなかれ」を図書館本で読む。電子本についての津野の考えの形成過程がみえておもしろい。同じく津野の「百歳までの読書術」からの派生読書であるが、「電子本・・」は「百歳までの・・・」の前駆本というところ。

まあ、電子本のことは置いておいて、この本で収穫だったのは鶴見俊輔。「期待と回想」あたりが本命だろうが、入手しやすいのは岩波新書「思い出袋」だろうか。「期待と回想」は津野の解説だけでも読みたいところ。図書館本で十分か。図書館本は文庫ではないので解説はないのか。

「マチガイ主義」という考え方は面白い。PDCAはそもそも「マチガイ主義」の本家であるプラグマティズムの所産であろう。ところが日本ではプラグマティズムなきPDCA、つまりマチガイを許さずつねによりよくという息苦しいものになっている。根本にあるプラグマティズムを身につけなければだめだ。→藤井聡プラグマティズムの作法」を図書館に予約。