El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

長女たち

感激をおそれる老人はわたしだ

長女たち

長女たち

  • 作者:篠田 節子
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: 単行本
 

篠田節子「長女たち」を図書館で借りてきて一気に読む。三編ともに親と娘、それに医師がからんできて、まあ引き込まれる。こうした作品を書ける才能の人がいてそれを味わえる休日がある。まあ、人生はそれだけで楽しいものだ・・・と単純に思う。内容にあまり囚われるべきではない。最後の「ファーストレディー」に出てくる屈託のない弟医師(泰水というのが笑えるが)くらいの感覚でいたほうがいい。この作家の他の作品も読んでみたいという気もするが重そうではある。正直、心を突き動かされるような読書はそれほどしたくないというのが還暦前の感覚でもある。