感激をおそれる老人はわたしだ
篠田節子「長女たち」を図書館で借りてきて一気に読む。三編ともに親と娘、それに医師がからんできて、まあ引き込まれる。こうした作品を書ける才能の人がいてそれを味わえる休日がある。まあ、人生はそれだけで楽しいものだ・・・と単純に思う。内容にあまり囚われるべきではない。最後の「ファーストレディー」に出てくる屈託のない弟医師(泰水というのが笑えるが)くらいの感覚でいたほうがいい。この作家の他の作品も読んでみたいという気もするが重そうではある。正直、心を突き動かされるような読書はそれほどしたくないというのが還暦前の感覚でもある。