El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2023-06-01から1日間の記事一覧

カールの降誕祭

私たちは生涯、薄氷の上で踊っているのです カールの降誕祭 作者:フェルディナント・フォン・シーラッハ 東京創元社 Amazon シーラッハの掌品三作にタダジュン氏の挿絵をたっぷりつけたちょっとお洒落な本。ただし中身は相変わらずのシニカル・ブラック。訳…

近江山河抄

私にはドライすぎる、白洲正子の語り口 近江山河抄 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) 作者:白洲 正子 講談社 Amazon 近江の古寺のうち三井寺・石山寺に行ってみた。奈良・京都の寺社がインバウンド観光客であふれているのに比べたら静かだ。奈良や京都が…