El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

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品田遊を読んで、ネット・ネイティブではない自分を思う

ネットにおける誹謗中傷・リコメンド機能・電子書籍端末・機械学習・仮想世界・Twitter世界・ソーシャルRPG・人工知能・・・・

今どきのこうしたネタを織り込んだショートショートからちょっとした短編小説まで全17編の文章。読んでいる間は面白いし、実際文章も上手いと思う。ネットやスマホ中心の世界がそこにはある。多分、ネット・ネイティブとかスマホ・ネイティブということは、この本に描かれるような毎日を生きているということなんだ。

そしてネイティブではない我ら、人生の中盤以降にパソコンが登場し、ネットが登場し、スマホが登場してきた我ら中高年とは決定的に違う心性みたいなものがそこにはあるのだろうと思ってしまう。

悲しいけれど、自分の子供も、職場で一緒の新人も、みんなネット・ネイティブでスマホ・ネイティブなのだから、分かり合えない部分が確かにあるんだよね。

まあ、そういうことは自分と自分の親世代の間にも当然あったのだろうけど、変化率が急増している今は世代間ギャップも急拡大しているのだろうなぁーと。若い才能に触れた時に感心するよりも先に、違う世界を生きていることをシミジミ感じてしまうのさ。