El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

湯布院奇行

いつか、どこかで読んだような

ウェブライター(?)としてだけでなく週刊誌にも連載エッセーを書いている「燃え殻」氏の短編をAudibleで聴いてみた。ナルシスティックで内向きな幻想小説といえばいいのだろうか。

泉鏡花のような耽美的な幻想小説だと思っているといきなり私小説化していき、心地よく聴いていたのに現実に引き戻されてしまったような「つらい」感じがある。幻想なら幻想のままで押し切ってしまったほうがいいのかもしれない。

品田遊氏にしても燃え殻氏にしても「才能はある」と思うのだが、エゴセントリック(自分中心主義)な部分で疲れてしまう。