El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

脱定年幻想

焼き直し出版に注意

脱定年幻想 (MdN新書)

脱定年幻想 (MdN新書)

  • 作者:勢古浩爾
  • エムディエヌコーポレーション
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「本書は2017年に刊行した『60歳からの「しばられない」生き方』(KKベストセラーズ)を加筆訂正のうえ解題し、新書化したものです。随所に時事的話題が出てきますが、当時の雰囲気を伝えるため、あえてそのままにしました。また、あらたに長めの「新書版あとがき」を付しました。」とあり、たしかに2017年的話題てんこもりで、5年ほど前のものを中身は一切いじらず新書化する意味があったのか?「当時」って5年前じゃないの?「あとがき」も弁明っぽい。
勢古浩爾が嫌いではないが・・・本文中のさまざまに世相を揶揄する物言いとは矛盾した「売れるならなんでもいい」という出版態度は「いかがなものか」(と、勢古氏が嫌いそうな言い回しで)。