El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

おもちゃ 河井案里との対話

延岡人の自分探しが権力闘争のおもちゃにされた?

選挙で現金をあからさまに配るほうも配る方だが、もらう方も普通にもらっているわけで、それがそこまで違和感のないことだというのが地方政治(ひいては日本の選挙)の実態ということなんだ。

選挙の当事者の河井案里は、私と同郷で宮崎県の延岡市の生まれ。慶応のSFCから国会議員(結婚当時は浪人)の河井克行の夫になった。二世三世議員だらけの日本でたたき上げの議員はこうも大変なのか・・・。

広島は、池田勇人、宮澤喜一、そして岸田といわゆる宏池会のおひざ元。岸田現首相と菅前首相の覇権争い、岸田派と二階派の権力闘争、検察と当時の安倍官邸の対立というさまざまな対立軸の中で起こった事件。ちょうど安倍が検察庁長官にしようとしていた黒川が賭けマージャンというくだらないネタで潰されたのと同じ頃の出来事で、根っこは同じ。

そういうどす黒い対立構造の中に、自分探しと上昇志向で無邪気に飛び込んでいき、高飛車な性格も徒となって墜落。

菅→岸田と権力移行し安倍晋三の暗殺もあって、自民党内の権力闘争は一段落しているが、菅の巻き返しもありそうで、意外と河井夫妻の復活もあるんじゃないか?ーそういう無茶苦茶感満載の日本の政治と司法ですよ。

庶民は実害を被らないようにリスクヘッジしながら生きるしかないのかと・・・。