El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

小田嶋隆のコラムの向こう側

小田嶋氏の死後出版のコラム集

コロナ禍やウクライナ危機の中で病死(2022年6月24日死去 享年65歳)した小田嶋隆氏が日経電子版に連載していた「ア・ピース・オブ・警句」2020年5月1日~2022年4月8日までから抜粋したもの。

全体的に体調の悪さからか「怒りっぽい」感じになっている。いくつかはこれまでの氏のコラムにあった切れ味の良い切替しもあるが、多くはネット社会・維新・コロナ・ウクライナ紛争への愚痴めいた文章。時代を切り取るコラムニストは死を目前にしてなお時代=今の社会との関係でしか自分を語れなかったのか、などと考える。

同年代であり、同じ時代を生きてきた小田嶋氏に合掌。

いくつかのメモ

  • 「既得権益層」「前例踏襲」のように既存の価値をおとしめる用語の悪意的な用法とそれに踊らされる民意
  • 同じような用語として最近よく使われる「コミュ力」「コミュ障」という用語に振り回される就活生あわれ
  • 先が見えないときの「次のメシまでのことに集中する」というタイガーの父親の教え・・これは役に立つかも
  • 政治家や政治ゴロのマスコミ発言→そのままのコタツ記事→それをそのまま引用ツイートする政治家や政治ゴロ→さらにリツイートでの情報再生産のしくみ。そんなものに踊らされるな。