El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

古寺行こう(5)薬師寺 行ってみた

唐招提寺とあわせ一本というところか

「古寺行こう」を手に、古寺に行ってみるシリーズ。今回は奈良は西ノ京「薬師寺」。いつもは修学旅行生でいっぱいな感じだが、コロナのせいで人がいない。

薬師寺といえば二つの三重塔、特に天平2年(730)に建てられたそのままが残る東塔が凍れる音楽として有名だが、それ以外にどんな見どころが、と言われるとそれこそ「古寺行こう」を熟読しないとわからないくらい。(自分の無知ですが)

いつもは北隣の唐招提寺とセットで行くので、なんとなく満たされていた感があったが、薬師寺単独で行ってみると、法隆寺や東大寺に比べたら見どころが少ない。平山郁夫や田渕俊夫の描いた絵が見どころのようになっているところでもそれは感じられる。

今回は奈良時代の東塔の水煙(塔の一番先端付近の装飾)そのものが間近で見れる展示になっておりその大きさに驚いた。塔の上の部分の作りが意外に大きいことにあらためて気づく。

それにしても五月の空は青く、薬師寺に人は驚くほど少ない。