El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

「ワーニャ伯父さん」から「ドライブ・マイ・カー」まで

話題のアカデミー賞映画を準備万端で観てみました。

アメリカのアカデミー賞。話題の邦画「ドライブ・マイ・カー」は作品賞は逃しましたが、国際長編映画賞を受賞しました。

この映画、演劇の演出家や役者が登場人物で、チェーホフの「ワーニャ伯父さん」が映画の中での重要なモチーフ。映画を観る前に無料のKindle版で読んでみました。30分ほどで読めます。

次にNHK広島が制作した広島ローカルの撮影現場のドキュメンタリー番組をみます。NHK+で4/9まで配信中です。

 ”広島が舞台となった映画『ドライブ・マイ・カー』。平和記念公園や国際会議場など世界に誇る名建築や瀬戸内の風景といった、美しい広島の今の魅力が映し出されている。「原爆から復興した広島の姿に、妻を亡くした男性の再生を描いた物語が重なる」と濱口竜介監督は語る。広島の街に導かれたという撮影現場。そのクライマックスにNHKのカメラが潜入。世界的に評価を受ける映画の舞台裏とは?濱口監督が広島に託した思いに迫る。” 

そして、肝心の映画の方はAmazon Primeで500円(2022年4月2日時点)で見れます。

(4月3日追記)

日曜の午後、カーテンを閉じて自宅テレビで3時間、没入して観ました。

☆5つとまではいかないけれど、メッセージは伝わりました。若い監督らしく、エピソード盛り込みすぎで少し冗長な感じも受けましたが、演劇好きにはたまらないかも。「ワーニャ伯父さん」は読んでおいたほうがいいです。

映画は映画館で見たほうがいい・・という意見はわかります。しかし、還暦をとうに過ぎて、聴力が衰えてきているのかボソボソしゃべるセリフが聞き取りにくいので映画館での邦画はムリ!というのが正直なところです。自宅リビングで大画面のテレビでヘッドフォンというのがマイ・スタイルです。