El librero la Fontana

El librero la Fontana・ホンタナ(いずみ)氏の本棚「人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ 」(アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ブラックボックス(上・下)

ハリー・ボッシュ シリーズ (16) 2012年 ボッシュ62歳の設定

ボッシュ62歳は再雇用でLAPDの未解決事件特捜班の刑事。1992年のロサンジェルス暴動から20年目ということで、当時の未解決事件を集中して再捜査することになり、暴動の最中に射殺されたデンマーク国籍の女性フォト・ジャーナリストの事件を担当する。残されたのはほぼ銃弾だけ、20年の時の流れは重い。

しかし、20年経って銃弾の解析技術が進歩した結果として、その銃弾を発射した銃がその後も何度かギャングの殺人に使われていたことがわかり、そこから銃そのものの出自がわかり、それが暴動の時に出動していた州兵部隊につながり、州兵は湾岸戦争の帰還兵につながり・・・と、なり最後はいつものようにボッシュの無鉄砲が功を奏して解決。しかし解決部分がかなりドタバタでせわしない。また上司の捜査妨害の理由も充分に回収されない。このところのボッシュの中ではイマイチか。

62歳で警察のデジタル化になんとかついて行こうとするボッシュ。上司も年下。例の丘の家にも終の住処という言葉が出てきたり。しだいに老いていくボッシュ。次作「燃える部屋」ではついに64歳で私の年と並ぶのか・・・