El librero la Fontana

El librero la Fontana・ホンタナ(いずみ)氏の本棚「人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ 」(アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

霧中の読書

私を読書に駆り立てる・・・

霧中の読書

霧中の読書

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詩人、荒川洋治さんがみすず書房から出している読書エッセイを最初に読んだのは「忘れられる過去」で2004年2月読了と書き込んでいる。以来「夜のある町で」「世に出ないことば」「文学の門」「黙読の山」「過去をもつ人」ときて本書「霧中の読書」と付き合いは長い。その間に荒川さんは54歳から72歳に、読者の私も46歳から64歳になった。

このシリーズの特徴は「紹介された本をとにかく読んでみたくなる」ことにある。それぞれの本で初めて知って読んだ本は数知れず。そしてどれもハズレがない。

今回取り上げられた本で、読んでみたいと思ったのはフォークナー「八月の光」、アーサー・ミラー「存在感のある人」、日本では高見順「いやな感じ」、梅崎春生「幻化」。欲しいと思った辞書は「新装改訂 新潮国語辞典 現代語・古語」、「全訳 漢辞海」(三省堂)。辞書まで欲しくなる、不思議なエッセイだ。

このあとすでに読書エッセイ傑作選として「文学は実学である」もみすずから出ている。当然、内容は重複するのだが、ファンとしてはすでに入手しているのでした。