El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

トランク・ミュージック(上・下)

 ハリー・ボッシュ・シリーズ(5)

Amazon Prime ドラマ「BOSCH」のシーズン2の骨格がこの「トランク・ミュージック」。ドラマ・シリーズより20年も前(1997)に書かれた原作なので、まだポケベル。ラスベガスのマフィアもイタリア系。「BOSCH」ではスマホで写メるのが普通だし、ロシアにアルメニアとマフィアの顔ぶれも時代とともに変わる。

個人的にはドラマ「BOSCH」シーズン2が原作を超えていると思う。悪徳元警官のどこか人好かれする造形もいいし、アーヴィングの息子の潜入捜査などもスリリング。もちろん、コナリーがドラマにもかかわっているのでブラッシュアップされている故だろう。

シリーズではじめての穏やかなエンディングのため解説にも「これで終わってしまうかも・・・」なんて心配しているが、その後も20年以上書き続けている。ボッシュは1950年生まれという設定なので、本書では47歳。1994年のロス地震(ノースリッジ地震)で壊れた高台の家も復活し、ハッピーエンド。めでたしめでたし・・・と言いながら次作「エンジェルズ・フライト」へと進もう。

 


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