専門家以外は「種の起源」はこの本でOK
三部構成で第1部「進化論の誕生」はダーウィンの人となり、「種の起源」書かれる直前までの研究の状況、他の研究者の動向など、第2部が「種の起源」を原著通りの15章の章立てに沿って各章のエッセンスがマンガと本文の引用(きちんと解説とは区別して表示されているところもGood)で描かれる。第三部は、その後の論争およびダーウィン死後のメンデルの再発見からDNAそして現在へと続く。
現在の我々は、DNAの存在を当たり前の知識としてダーウィンの考えに触れるので、その卓抜さがわかりにくくなっている面があるが、ダーウィンをはじめとする先人の発想の転換があり、それが少しずつ解明された結果としての現在という、視点を取り戻すことができる。構成の妙、アニメ風とは異なるイラストのタッチもふさわしい感じ、もう専門家以外は「種の起源」はこの本で楽しめばいいんじゃないか。