スウェーデン、雨、時計、黒い靴下
スウェーデン発の警察ミステリー。とにかく雨が多いんですね10月のスウェーデン。
捜査する側とされる側が交錯したり逆転したり最後は協働したり、その展開が極めてよくできていてスリリングで一気に読んでしまう(特に第二部)。まあ、〇〇〇の復讐譚という主題はモラル的にどうなの?、時計をそこまでからませるという違和感(作者の趣味?)、なんでも調べてくれる情報便利屋の存在は都合よすぎ(最後は靴下)、など後から考えると、なんだかなあと思う部分もあるが、それはまあ創作なので。
ミステリーによくあることなのだが、二人の主人公ともあるときはとても緻密なのにあるときはとてもルーズなのが、ダレルアルネ。
スウェーデンはわたしの子供時代は高福祉国家で「良い国」の代表みたいに考えていたが、時代はかわり寛容な移民政策(2015年まで)のために中近東やアフリカからの移民も多く社会問題にもなっているし、ロシアマフィアやイスラム国のような勢力の浸透という問題も抱えている・・・という社会情勢がミステリーにも反映してる。