El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ナイトホークス(上・下)

ハリー・ボッシュ シリーズ(1)

ボッシュ・シリーズを適度なペースで読んでいこうと考えシリーズの第一作「The Black Echo」(日本語タイトルは「ナイトホークス」)全600ページ超の文庫本を二日ほどで読んだ。

ボッシュ、エレノア、エドガー、アーヴィンなどなどTVシリーズでおなじみの名前が出てくるが人物造形はボッシュ以外はかなりちがう。そこで、また別物として楽しむことができる。一方で、ボッシュの高台の家、ジャズ、ヒエロニムス・ボスやE・ホッパーの絵などボッシュのライフスタイルはTVよりも書き込まれているので、そちらを知る楽しみはある。

筋書きを追うのはやめて、TVシリーズのどこに生かされているのかをメモっておこう。

  • ボッシュのベトナム従軍→TVでは湾岸戦争
  • エレノアFBI捜査官→TVではボッシュの元妻でFBIは別の理由でクビに
  • 帰還兵集団の犯罪→TVではシーズン3のイラク・アフガニスタン帰還兵としてリメイク
  • FBI捜査官の犯罪→TVではシーズン6の黒幕がFBI捜査官
  • アーヴィング→TVでの造形は権力志向ではあるものの善人

発表は1992年。ポケベルが重要な役割。若い読者にはわかるかな・・