El librero la Fontana / ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

自閉症遺伝子

 そんなものはない

バイオベンチャーが誇大なことを言って資金を集めながらもそれに見合った商品を生み出せない。しかし、社会は誇大広告に乗せられて、特にリスクを抱えた人々はわらにもすがるために、そういういい加減な検査が社会にはびこる。・・というよくある話を、自閉症が遺伝子検査で予測できるというちょっと怪しい話に関して、その企業への突撃取材などから報告する、というスタイルの本。

自動車でもテレビでも複雑な部品の集合体であれば、故障の場所に関わらず、動かない・映らないという結果が生じる。自閉症も同じで、この遺伝子が悪いので自閉症になるというシンプルな因果関係論で論じられるものではない。さまざまな部品のどこかが故障しても結果として、表現型は同じ自閉症になる。だから因果関係論的に結果から原因を単純に探ることなんてできない。考えてみれば当たり前のことではある。