大したことは言ってないが・・・たび重なるジェネリック不祥事は・・
本来なら特許が切れた薬と同じものを作って安く売れば商売になるはず。ところが、医薬品の場合は、多くが健康保険からの支払いになり実際の患者負担がそれほど変わらないようにしか見えないために、医師の中にも、患者の中にも、あるいは薬剤師の中にも、国会議員の中にも、ジェネリック嫌いが存在する。で、本書の著者もジェネリック嫌いの理由をさまざま列挙する。
一方で、ジェネリック薬を売っている側にも、胸をはって先発品と同じと言えるかというとそうでもない。2020年にはジェネリック薬の製造過程で他薬剤が混入し死者が出たし、2021年になって大手のジェネリック薬メーカーが長年の製造不正で営業停止になったりした。まさにジェネリック嫌いに塩を贈る結果に。
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以下、余談だが
これは日本だけの問題ではない。処方薬の90%がジェネリックとなっているアメリカでは、インド製ジェネリックのあまりにもいい加減な実態を曝露する本(「Bottle of Lies」by Katherine Eban)も登場している。日本語訳は未刊行だがNewsweekのまとめ記事は日本語で読める。
はたまた、日本では一時期偽造品まで出て
話題になったHCVの特効薬ハーボニー
の尋常ではない薬価についてはインド製のジェネリック(?)(横流し?)による、弱者救済というドキュメンタリーもある。
ことほどさように、ジェネリックがらみの話題は豊富なのだが、日本ではまだ俯瞰的な本がなく「ジェネリック」で検索するとこんな本しかみつからない。