El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

余生と厭世

 老後は経験しないとわからない

余生と厭世

余生と厭世

 

 沈鬱な詩のような作品。人生に休止符を想定できるのか?という観点。終止符は死であるとして、休止符は引退、隠居?引退後の人生が長いのであれば、休止符を想定して、それが近づいたぎりぎりで先送りする。その繰り返しが余生であるのかも。 著者はおそらくまだ30代、老後と死は経験しなければわからないことが多い。

あるいは、伊能忠敬のように生きるのもありか。いずれにしても、安定した生活設計があってのこと。ロマンチックな話も、もちろん経済的余裕が前提である。