病理学会でアスベストがテーマになることが増えている。これは、アスベストの被害者救済事業での被害者認定に病理医による病理学的なアスベスト疾患であることの証明が重要な要素となっているから。
いっけん被害者のためにやっているような救済事業だが、なんとなく疑っている。認定のためのハードルの役割を病理医に押し付けようとしているのではないか。しかし、それはわからない。
この文章でも、病理医に「安易な中皮腫診断をしないように」という内容なのか「疑わしきは中皮腫とする」という内容なのか・・・例に寄ってのお役所文書でわからないのだ。(多分、真の病理医にはわかる?)
それにしても救済機構が弁当代までだして病理学会でセミナーをやっていることの違和感は消えない。
そこで、毎日新聞の記者が書いた「どちらかというと被害者目線の」本書を読んでみた。曝露と発症の時間差(40年)
①戦争期から戦後直後にかけて軍需を中心とした曝露→2000年前後
②高度成長期のアスベスト産業およびその周辺の曝露→2010年頃
③アスベスト吹付建造物の使用者の曝露→2010年頃から現在
④アスベスト建造物の破壊に伴う曝露(震災+建て替え)→現在から20-40年後
2020年代がアスベスト吹付建造物の解体ピークらしく、そこでの曝露はまだまだ未来の出来事なのだ。解体もきちんとやられているわけではなく手抜きも多そうだ。古いビル(といっても築30-40年)と関りがある人は無関係ではない。
クボタ・ショックの時のクボタの神対応は企業のありかたとして参考になる。