El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

それでも読書はやめられない

この本の影には、それなりの努力が見える

特定のジャンルの本を読んでは、バッサバッサと切り捨てる(一部賞賛もあり)勢古節にひかれてまた今回も読んでしまった。定年本を切り捨てる「定年後〇〇のリアル」シリーズに引き続き、今回は「読書論本を切る」という趣向。今回は斎藤孝への当たりが強く、それはとても共感できる。

コロナ禍の直前に脱稿されたようだが白内障の手術はどうなったのだろうか。勢古さんの本を読んで感じるのは、いかにもざっくばらんに好きなように書いたように装いながら、これだけの引用の多さを考えると図書館本はメモとったりコピーしたりしながら、結構マメに執筆準備されているのではないかということ。それとも編集者さんがいろいろ下準備してくれるのだろうか。

次はそのあたりの執筆技法を赤裸々に紹介してほしい。なお168頁「千夜千冊」(全7冊+別冊)の値段は9500円となっているが、その値段で買うのを躊躇するわけもなく、95000円が正当だろう。校閲の高松さん、確認ください。