「まえがきにかえて」がすごくいい!
「これからはソファーに寝ころんで」というタイトルとカバー絵から62歳のたゆたう読書と音楽の生活が私小説風につづられるのかと思ったが、その思いからいけば「まえがきにかえて」がもっとも良かった。アン・サリーというCDのセレクトもいいし、老いへの納得と不納得が入り混じったような感じも。
本文にはいってからは、なんとなく従来のエッセイとたいして変わり映えしないし、「まえがきにかえて」で披歴した62歳の人生観前の暮らしぶりだった。執筆の順序でしかたないことなのかも。次作は「まえがきにかえて」のテイストでCD紹介しながら・酒飲みながらうだうだと書いてほしい。同じ歳だけに、半地下でのたゆたう人生の楽しさを教えてほしい。次作に期待したい。