El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

患者になった名医たちの選択

玉石混交・・・

患者になった名医たちの選択 (朝日新書)

患者になった名医たちの選択 (朝日新書)

 

 2020年5月29日

興味深いのはLGBTの松永先生とアルコール依存症の河本先生。こういう主観の部分が大きい状態は、その病気(?)を自分事としてとらえている医師が語ることの意義は大きいと思う。LGBTが身近なものに考えられるようになったし、アルコール依存は他人事ではないと自戒することができた。

一方で、糖質制限や間欠断食のようにエビデンスがはっきりしないものについて医師が語るのはその医師の単著であれば勝手なのかもしれないが、こういう他の多くの医師の話の中に混ぜられるのは、一般の読者が批判的に読めない点にやや違和感を感じる。また、民間のがん保険金で肝移植という話は保険加入経緯などにややグレーな印象を感じたがどうなんだろう。