El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

作家がガンになって試みたこと

クリニックの実名を挙げて「がん民間療法体験記」を
岩波から出版したことは意義がある

作家がガンになって試みたこと

作家がガンになって試みたこと

 

高橋氏の結論(の一つ)は、「もし、希望を抱いたまま痛みも苦しみもなく最後を迎えられるなら、民間療法も意味あるだろう。お金をむしり取られるのもまた患者の喜びであったかもしれない。しかし、民間療法はあまたあるが、私から見ればそこで救われる命はないのである。」

高橋氏が具体的に関わったのは「幹細胞療法」の◯◯フィールドクリニックと「樹状細胞ワクチン療法」のセ◯ンクリニック。「幹細胞療法」には500万円近く払っている。日本では、「ガイドラインの標準治療」が認めていない独自な治療を、医師が独自の見解で自由診療としておこなうことに対してほとんど制約がない、ということを、この本を読んで理解してほしいです。

もしあなたが、がんと診断されて、自由診療のがん治療をすすめられるようなことがあったら、必ず、この高橋氏の体験記を読んで、よく考えて行動しましょう。