あくまでもアメリカ内政史
遅れてきた移民や黒人、女性が社会の構成員として認められ内部的に成熟していく過程がよくわかる。内政に詳しい一方でこのシリーズの①②にあった世界システム論的な視点は乏しく、アメリカ内政史といったほうがいい。イギリスを中心とするヨーロッパの凋落とアメリカの覇権国家としての台頭がいかにしてもたらされたのか、それは内政の変化の向こうにぼんやりとしか見えなかった。
共和党と民主党の立ち位置が微妙にずれていってあたかも交代したかのようになるのはおもしろい。ルーズベルトがウォーレスではなくトルーマンを選んだことがその後の歴史を変え、ケネディ時代にまで続く好戦性を作ったような。そこからのジョンソン、ニクソンはかなりまともで、キッシンジャーもすごい。
ついにポピュリストが大統領になってしまったUSA。新型コロナはアメリカを、そして世界をどう変えるだろう。