El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

会計と犯罪

ゴーンは、わざと逃がしたんだろうか、やっぱり・・

会計と犯罪――郵便不正から日産ゴーン事件まで

会計と犯罪――郵便不正から日産ゴーン事件まで

  • 作者:細野 祐二
  • 発売日: 2019/05/30
  • メディア: 単行本
 

本書の大部分は郵便不正事件に関して書かれており、実際この事件は大阪地検特捜部の大失態だっただけに説得力がある。特に、大阪地検内部で有罪を固めて特捜全体のモラルの問題になるのを回避したという分析などは読みごたえある。それを踏まえてゴーンの事件を分析されると「そうだよね~」と思ってしまう。立件したものの公判を維持できそうもないから、わざとレバノンに逃がしたんじゃないか・・・と思ってしまうほど。「会計と犯罪」というタイトルは違和感があるが・・・刺激をさけてということなのだろうか。