El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

石の綿

過去ではなくこれから!そして関西以外にも広がるアスベスト被害

改訂新版 石の綿 終わらないアスベスト禍

改訂新版 石の綿 終わらないアスベスト禍

  • 発売日: 2018/07/17
  • メディア: 単行本
 

 

2012年刊行の旧版に「震災とアスベスト」「エタニットー史上最大のアスベスト訴訟」の2つの漫画が追加され、後半の資料部分も改訂されており、一般人がアスベスト禍を知るためのベストの資料の一つ。資料編を読めばわかるがイギリスなどの先行事例から考えて日本のアスベスト中皮腫(がん)がピークを迎えるのは2025年頃であり決して過去の問題ではない。そして相次ぐ震災がれきの処理の過程で新たなアスベスト曝露が発生している(阪神淡路のがれき処理作業者から中皮腫発生している)ので、これまでの尼崎や泉南という関西限定の問題ではなくなっている。ボランティアに行くならアスベスト対応のマスクは必須。それやこれやが全部漫画でわかる。神戸大学京都精華大学のみなさんありがとう。