El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

失われた時を求めて 7

 第7巻(全13巻中)を読了

 ゴールデンウイーク明けに読み始めて早や4か月。朝夕の通勤電車で一日に45分くらいしか読む時間はない。それでも十日間で1冊のペースなので一日50ページは読んでいることになる。

「ソドムとゴモラ」、男性同性愛と女性同性愛。LGBTばやりの昨今ではあるが、それとは微妙に違うのか、同根なのか・・・いまいちよくわからない。

「失われた・・」を読んでいるとその世界観の中に入っていく感じがある。「戦争と平和」や「レミゼラブル」などのような他の長編小説では、作家が作った世界を俯瞰している感じなのだが、「失われた・・」では俯瞰していても理解できない描写が延々と続き、それはもうその場にいるような気持ちでいないと読み進められない。そうして、実際のこの世の中で生きているのと同じように、すべてが見通せるわけではないという状態に置かれている感じ。