El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

稼ぐAI

それでも「人工知能ありき」・・に結局なってしまう?

 著者の書いているように、「大量のデータを原料として、コンピュータで分類・回帰・クラスタリング・推論・探索」を行うための一方策がAI(=人間があれこれ考えてやっていたことをコンピュータに代行させる)である。そのために、作業過程をAIで処理可能なイシューに分解し、そこはAIでやらせましょ・・ということ。しかし、多くの企業がCMなどで「AIを使って・・・」と先進性のイメージ戦略のためにAIを謳えば謳うほど「人工知能ありき」になってしまう。そんな構図がよくわかる。

そこから抜け出すには、地に足つけて自分のPCでAIを体験してみるのもアリかと。本書の後半はそんな構成になっている。しかし、そこは企業人は踏み込まないのでは?IT化あたりまでは、企業の実務者の努力でITを実務に取り込んできたが・・・AIとなったとたんハードルが上がっている印象だ。実務者と開発者の深い関係性の構築あたりに成功のカギがあるのかな。ネゴでき提案できる開発者を育てるべきだと思う。