スマホを置いて、スケッチブックを持って旅に出よう
旅に関わる文学や美術作品を紹介しながら、それらの作品を産み出した人生・旅をたどるように著者のボトンとそのパートナーが旅する。それぞれの土地やそこへの移動にまつわるさまざまが旅の要素となっていく。9つの先人の旅と、9つのボトンの旅。どれもよみごたえあるが、先人の旅にくらべてスマホ時代の旅はあわただしく実り少ない。そのことが濃縮されているのが「第8章 美を自分のものにするために ラスキンの方法、わたしの実習」だ。
旅といいながら、スマホで写真撮って、はい次へ、という現代の旅への強烈なアンチテーゼだ。スケッチブックを持って旅に出よう。
カバーも含めてエドワード・ホッパーの絵がしみじみ。