——医学の基本をYouTubeで——
気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新知識をゲットしよう。そんなコンセプトでブックガイドしてます、査定歴22年の自称査定職人ドクター・ホンタナ(ペンネーム)です。今回のテーマはおすすめしたい「医学の教科書」。
文系の学部を出て保険会社に入ったらアンダーライティング部門に配属されちゃった・・・という新人社員が、ゴールデンウィーク明けにいよいよアンダーライティングの実務と向き合う。そのときネックになるのが人間の体のことがさっぱりわからないという現実。そこで、そんな理系科目がさっぱりだめという人が医学の基礎を学ぶのにぴったりの一冊を見つけました。
それが玉先生の「のほほん解剖生理学」。実は、以前から医学教育のために役立つ動画がないかなと、YouTubeを探ったりしていました。そんな中で出会ったのが玉先生の連続講座でした。YouTubeで「玉先生」「解剖生理学」で検索してみてください。ずらずらっと52回のアニメ版医学の基礎講座にたどりつくはずです。
「解剖生理学」って?と思うかもしれません。パラメディカル(看護師さんや薬剤師さんなど)が医学の基礎を学ぶために、医学部でいう「解剖学」と「生理学」それに「病理学」のエッセンスをまとめたものを「解剖生理学」とよぶらしいです。玉先生のWEBを見るとこの玉先生の講座は、看護学生が学ぶのに難渋している「解剖生理学」をスムーズに学んでもらってなんとか看護師の国家試験レベルの知識を身につけてほしい、という目標で作られたもののようです。
YouTubeの動画のいくつかを見てみると確かに、高校で生物をとらなかった人が医学の基礎知識を身につけるのに本当にぴったりです。動画は登場人物や臓器がちょっとデフォルメされた感じで、そのタッチが合わない人がいるかもしれませんが、たぶんこのタッチがいまどきの看護学生にはフィットするのでしょうね。通勤・通学の電車の中でスマホで学ぶことができるのですから、時代は変わったなあ。
「動画だけでは不安」という声もあったのでしょう。動画より若干詳しく、しかし読みやすさは動画なみの教科書が2017年に刊行されています。それが「のほほん解剖生理学」。この本もすばらしい。内容もですが、玉先生がなぜボランティア的にこんな講座をやっているのかというその理念が書かれていて、その熱血に感動です。自分がアンダーライターに講義するときもこうありたい。
「動画だけ」あるいは「本だけ」というのではなく、是非とも動画と本をうまく組み合わせてメディアミックスで勉強すればすごく効果がありそうです。この本の各章ごとに対応する動画のQRコードがついていますので、本で勉強しQRコードでYouTubeの動画で復習、あるいはその逆も。スマホで勉強する時代・・・これもまた令和的なのかもしれませんね。(査定職人 ホンタナ Dr. Fontana 2019年5月)