El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

1971年の悪霊

世代論は結局、自分本位?

1971年の悪霊 (角川新書)

1971年の悪霊 (角川新書)

 

 著者と同じ世代、いわゆるシラケ世代です。ゆるくて、楽しい青春でした。この新書のおかげであの時代をなつかしむことができました。「小さな恋のメロディ」先日NHKでやってましたね。人は自分の世代を生きることしかできないので、それを大事に思うのはわかります。しかし、連合赤軍事件は世代的には確かに衝撃的だったけど、その後も、オウムや酒鬼薔薇911や311があって、まあ連合赤軍もときどき起こる猟奇的事件の一つにすぎなかったのではないかと。

えらそうに世代論を語る自分への戒めにもなりました。結局世代論を語ってしまうのは、近視眼的な自分本位の歴史認識にすぎないような気もします。