El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

平成経済 衰退の本質

結局、出口なし

平成経済 衰退の本質 (岩波新書)

平成経済 衰退の本質 (岩波新書)

  • 作者:勝, 金子
  • 発売日: 2019/04/20
  • メディア: 新書
 

 書いてあることはまあその通りなんだろうけど、だからどうしろというのか?どうしていたらよかったというのか?経済の衰退は日本だけのことなのか?中国が伸びたのは歴史的必然ではないのか。他の元先進国も同じように苦しんでいるのではないのか。なんだか、内側目線だけで、あれが悪かった、これが悪かったと文句つけるだけで、暗澹とした気分にさせられるだけ。安倍政治がスローガンだけの政治だというのも間違ってはいないが、ほかに選択肢がないのも事実。日本人みな「わが亡き後に洪水よ来たれ」状態ですよ、ホント。最後につけたしみたいに提言が書いてあるが、まるでダメそう。著者も出口が見えていないので、読者はただ疲れる。