El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

影の日本史にせまる

文芸者たちも歴史を作った

影の日本史にせまる:西行から芭蕉へ

影の日本史にせまる:西行から芭蕉へ

 

 西行(和歌)ー連歌師たち(連歌)ー芭蕉(俳句)。それぞれに関連があることはボンヤリとは知っていたが、日本史の教科書では文化は通史の中にポツンポツンと埋め込まれて扱われているため、いままで歴史全体の流れの中でのこれらの文芸の位置づけをとらえることができていなかった。この本を読むことで縦串が通った感じだ。さらに加えて、それぞれの時代の政治とのかかわりもツボを押さえている。歴史家は文芸にも詳しくなければならないのだと納得。また西行の生き方はこの本ではじめて詳しく知った(不勉強)、ある意味あこがれる。