El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

「農耕社会の成立」〈シリーズ 日本古代史 1〉

 全25巻の最後にいちばん昔のこの本を・・

 挫折しそうだったので岩波新書日本史シリーズ全25巻の最後に読んだ。数万年の石器時代があって1万年の縄文時代があって1000年の弥生時代と続き古墳時代に入る。がらりと変わって次の時代になるわけではなくじわりじわりと新しい文化・生活手段が広まっていくのを遺跡などをもとに再構成・・・なるほどよくわかる。しかし、明治150年や昭和100年という近代以降の時間感覚のあわただしいこと。とはいえ、縄文時代の1万年においても人間は数十年しか生きなかったわけだし、とてつもない災害もあったんだろうなあ、命は短く学問は長く深い。