「蒸気船」と「電信」がそんなに優先順位が上?!
19世紀のヨーロッパ繁栄の原因分析を目指しているのだと思う。しかし、ページ数が少ない割に扱う対象が広くてあっさりしてしまった感じ。また通史の中に著者の主張が唐突に織り込まれるが、それを裏付ける基礎的事実の叙述が十分でないため、その根拠は?と感じることが多い。例えば何度も、ヨーロッパの拡大は「蒸気船」と「電信」のおかげと主張し、その説を強化するようなデータが書かれている。一読、「なるほど!」と思うのだが・・本当に筆頭にあげるほどのことなのか、冷静に考えるとよくわからない。紋切り型のレトリックが多いのは疲れる。