El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

「摂関政治」〈シリーズ 日本古代史 6〉

200年にも及ぶ藤原時代
最後に末法思想が出てきたのは昭和の終わりのあの教団を・・

摂関政治〈シリーズ 日本古代史 6〉 (岩波新書)

摂関政治〈シリーズ 日本古代史 6〉 (岩波新書)

 

平安時代後半、西暦で860年ころから1060年ころまでの200年間が扱われる。200年というこのシリーズでは結構長い期間を一冊に収めるというのは、なんだかんだいってもあまり大きな出来事がなかったんだなと思う。地方の反乱とあっさり鎮圧される中央での変くらい。外交的にもほとんど鎖国的な感じ。

その中で、摂政関白がいることで幼若天皇でいいことになり、藤原氏(北家)が外戚関係を強化しやがて摂関を一家独占にする。まあ、言ってみれば藤原時代ということ。

それも100年も続けていれば外戚関係が築けなかったり親政をめざす天皇が出現したりして、藤原氏の栄華は終焉を迎え、院政時代に突入。このシリーズではそこからは日本中世史ということに。

最後に末法思想が広まったところの理由づけなどがいまいちあいまい。歴史の変わり目におけるこうした騒動(江戸末期の「ええじゃないか」など)について良書があれば教えてください。