El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

平城京の時代〈シリーズ 日本古代史 4〉

税と出世の厳しさが身にしみる・・律令国家できました

平城京の時代〈シリーズ 日本古代史 4〉 (岩波新書)
 

 租庸調とはいうが、いずれにしても税負担が重いのはこの頃からなのだ・・と。国家とは徴税組織にほかならず。兵役も大変だ、九州の防人には東国の人間を、東北での蝦夷との戦いは西日本の人間を、きびしいなあ。

官僚としての出世も大変だ。ひとつあがるのに10年以上かかるかと思えば、親が偉けりゃ初めから上位のエリート街道を歩む。なんだか中枢の人々にだけ優しいシステムで、今と似ている。メンタリティは同じなんだ。

東大寺と大仏の建設費は重かったらしい、イベントで国が傾くとはオリンピック!と同じ構造。

天皇家系図だけみると近親婚の連発だが、青い血の問題はなかったのかしら。系図では親子だが実はちがうとか裏があってのことなのか。文武天皇聖武天皇で35年、孝謙・称徳女帝と道鏡事件でごたごたして、天武系から天智系の光仁桓武天皇ときて平城京よさらば