人生に目的などない・・・そんなの当たり前じゃん、と妻は言う。
「生きる目的は、生きたあとからついてくる」・・・「だから先見的に生きる目的を知ることはできない」・・・「けれど無目的に生きるのもつらいので、生きる目的は何なのだろう」・・・という循環して答えのでない状態が人間のおかれた正常の状態なのだという倫理学エッセー。妻にこのはなしをすると「そんなの当たり前じゃん」とにべもない。
わたし自身は、この本を読んで「なるほど、たしかに・・」と思ったクチなので、妻に一蹴されて、あらためて女の不思議を知る。
コペルくんと叔父さんではなく、コペルくんと叔母さんだったら、辛気臭い「君たちはどう生きるか」にはならなかったんだなあ。