El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

自由に老いる

上手にすれ違うこと

自由に老いる ―おひとりさまのあした

自由に老いる ―おひとりさまのあした

  • 作者:海老坂 武
  • 発売日: 2015/07/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

昔、シングル・ライフにあこがれていた頃、「新・シングル・ライフ」で親しんだ海老坂氏は1934年生まれ、現在83歳、存命のようだ。この本は2015年の発刊で書かれているのは氏の70代後半の想いか。まあ、生涯独身者としての自由は感じる。難聴をはじめとして老からくる身体の不自由が精神の自由と葛藤する。シングル・ライフ宣言の頃(40-60歳くらい)はとがっているように感じ、共感もしたが、お歳をめされて全体に平凡な老人本になってしまった。まあそんなものか。

本人の言ではないが引用されていた「シニアの共同生活を長続きさせる秘訣は、上手にすれ違うこと。」には納得。