El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉

てんこ盛りの25年間・・・最後は「万歳!」

民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉 (岩波新書)
 

 平成になって30年、どうも代わり映えしないような気がしていたが・・・明治維新からの25-30年(本書では西南戦争から日清戦争までの20年ほど)の激動を考えると、本当に平成ってヘーセーなりにおだやかだったんだな、と感じる。まあ、この頃、明治の前半に決めたあのことこのことが太平洋戦争につながっていくのだけれど、そこまで見通して何かを変えれたわけでもなかろう。

この時期に、はじめて大衆のあいだで「天皇陛下万歳」という言葉で臣民国家ができてきたというのも、同じ文脈。それ以外に、まとまれる何かはなかった。そして、日清日露とすすんでいく。