El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

工学部ヒラノ教授の終活大作戦

本人は書けないであろう、終活の結果をだれかに書いて欲しい・・

工学部ヒラノ教授の終活大作戦

工学部ヒラノ教授の終活大作戦

  • 作者:今野浩
  • 発売日: 2018/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

78歳らしいがPCやネットの使いこなしなど10歳は若い世代と同じくらいで、そうしたことが全体の若々しさにつながっている。わたしは20歳近く若いのだが、それなりに先進的に生きていくことの大切さを学んだ。

著者自身が書いているように自慢話・・と取られかねないところもあるが、相当大変だったはずの、不運・悲運としかいいようのない家族の病気などへの対応についての筆致がサラッとしているので、本自体が暗くならずに、いい気持ちで読了できる。ありがたい。

ヒラノ教授の真の終活はこれからなので、実際どうなっていくのか、同時代人として、理工系人生の綿密な試算と計画の結果に期待します。