El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

月の満ち欠け

え、これだけ? 

岩波文庫的 月の満ち欠け

岩波文庫的 月の満ち欠け

 

 死んだ恋人や妻の魂がその死のときに生まれたどこかの誰かに受け継がれる・・という話なんだけど、そんなあり得ない話を長きにわたって書くからには、そこからなにか、実際の人の生きざまにかかわる普遍的な価値観を導いてほしい。結局、黄泉がえりだけで話が終わってしまうと・・・この読書は、なんだったのか、ということになってしまう。黄泉がえりをモチーフにして何かを言いたいんじゃなかったのかな。正午さん!