El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

問題は英国ではない、EUなのだ

 逆張りトッドの面目躍如

トッドの著作がトランプ勝利を予測している点について。グローバリゼーション・ファティーグは確かにあると思う。

「なぜなら、グローバリゼーションに適応するのは、ある種の不平等を甘受することだからです。」

「いずれも、サッチャーレーガン登場以来の数十年間、英米主導で進められてきたネオリベラリズム&グローバリゼーションの終焉の始まりを示す兆候なのである。」

トッドは、とくにアングロサクソン社会の現象、英国EU離脱、米大統領選でのトランプ躍進に注目する。グローバリゼーションがもたらす「ファティーグ〔疲労〕」に英米社会すら耐えられなくなったことの証しだからだ。「グローバリゼーション発祥地での転換」は、「グローバリゼーションの終焉の始まり」を意味するはずだ、というのである。・・・