El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

猟師の肉は腐らない

自然回帰から母を想う・・

猟師の肉は腐らない

猟師の肉は腐らない

  • 作者:小泉 武夫
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 単行本
 

 読書によって得られる、あるいは得てしまう自己の感覚の変化。例えば、「猟師の肉は腐らない」を読むと、自然との関わりをもった生活を送りたいという気になる。自分の周りでこれにもっとも近いのは宇納間のおばちゃん(とはいえもう90歳)。そんなことを考えていると、母のことも一緒考える。母の晩年が近づいていることを考えれば、今のように妹ひとりに世話を押し付けていることは自分で納得しているとはいえない部分が確かにある。