El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

赤目四十八瀧心中未遂

車谷長吉との出会い

赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂

  • 作者:車谷 長吉
  • 発売日: 2001/02/09
  • メディア: 文庫
 

 車谷長吉(くるまたに ちょうきつ)を読んでいる。楽しくはないのだがやめられない面白さがある。名前は読めないけど知ってはいた。ブックオフで2冊108円本を見つけてそこからはまっている。ぎりぎり考える方の人だ。
自分も考える人だと思いたいが、そうでもない。それがだんだんわかってくる。自分はどちらかというと外連見が中心の人間だ。いかんいかん。アドバルーンだけで本当の売り物がない。そんな人生だったという気はする。その場その場でアイデアも出るし、世の中そんなものという部分もたしかにあるのだけれど、そうではない、着々と、ぎりぎり考える人生もあるわけ。それを実践できる人もいるわけ。